2020年最初に読んだ本はこちら。
ニューヨークのカウントダウンで始まった2019年。その反動のためか、2020年はどこにも飛ばずに年末年始を過ごしました。まとまった時間ができたので、仕事関係の資料を探しにフラフラと地元の公立図書館へ。そこで衝撃的な本に出会うことになります。
概要
タイトルから想像したのは、やめるためのハウツー本でした。しかし、ページをめくるとすぐさま違和感を感じます。
この本の著者はマレーシアに移住し、日本とマレーシアの文化の違いに衝撃を受けたそうです。かつて修行僧として、ANAのステータス目的で何度も訪れたクアラルンプール(マレーシア)。よく行った土地ではあるものの、その国柄や文化までは全然知りませんでした。
やめることは、新しいことをはじめること。
マレーシアでは小さい頃からやめることを学ぶそうです。学校、部活、習い事。嫌だなと感じたら、さっぱりやめてしまうそうです。日本人であるがゆえ、「やめる」ということにネガティブなイメージを持っていましたが、マレーシアはそれを「選択の機会」や「新しい自分の発見」と捉えているようです。
日本の学校は「我慢の練習」をするところ
この本には、私になかった視点がたくさんありました。
- 日本人は辞める経験がないから辞め方がわからない
- 途中で辞めることを想定していない日本社会
- 日本の学校は「我慢の練習」をするところ
どれも非常に興味深いところで、本の中でも「なるほど!」と思う部分がいくつもありました。
日本の学校は「辞める練習」を教えていないこと。「続けることが美しい」と日本人には当たり前ですが、マレーシアにはその考えはないようです。
また、日本の学校では、将来役に立つかわからないことを教えます。(中には役に立つことも、もちろんあります)そして、学生はそれを必死になって覚えます。ある意味、記憶力ゲームをさせられていた、と。
有名大学の学生は頭がイイというよりは、一定の「我慢ができる」人たち。無意味だなと思うことを覚えたり、わけのわからないルール、非効率的なことに耐えられる人材なのだ。そして、これはこれで価値がある。
実際に会社に入ってみると、理不尽さにビックリする。
(中略)
こういうのに耐えるメンタリティを作るには、日本の学校教育はうまく機能していると思う。
多民族国家マレーシアの人付き合い
マレーシアは多民族国家です。マレー系、中華系、インド系と様々な文化・考え方を持った人たちが集まっています。そのため、自分自身が当たり前と考えていること、思っていることが、必ずしも相手と同じにならないことが当たり前だそうです。そのためか、マレーシア人は相手の属性で何かを判断することは少なく、その人の人間性を見ることが多いようです。この本には、下のように書かれていました。
多人種他宗教の上、共通コミュニケーション言語が第二外国語の英語しかない環境では、相手の所属や人間関係を知ったところで、あまり参考にはならない。今、目の前にいる相手をその場で知る必要がある。
まとめ
日本がこれからグローバル化していくにあたり、色々な国の文化を理解することは大事だなと感じました。少なくとも「辞めること=悪いこと」というイメージはやめて、ポジティブに考えたいと思いました。
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